《コントゥール・ペルデュ》 : 対象の輪郭をあえてぼかし、背景や影へと静かに溶け込ませる西洋の美術技法。
私たちは、大切な人のすべてを永遠に覚えていられるとどこか錯覚しているように思う。けれど、時間というものは残酷なほど静かに、その輪郭を奪っていく。
笑い声、仕草、匂い。
その人をその人たらしめていたはずの愛おしかった記憶の境界線は、少しずつ世界という背景のグラデーションに飲み込まれて、ぼやけていく。
どれほど大切だったかという気持ちだけは胸の奥に確かな重みとして残っているのにね。
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【クレジット】
Music : さらね
illustration : あすぱらなす
Movie : C43
【歌詞】
窓を眺めて 白く頬を伝った
かじかんだ思い出も 忘れちゃいないんだよ
誰も居ない場所で待ってて
止まったままに移ろっていくのに
僕の痛みはまだ残ってるから
霞んでるんだよ 冷たくて軋むの
どうしてか1人になれなかったの
お揃いにせーので透明な空を見た
「消えないでいよう、忘れないで言おう」
それも誰かのものみたいで
大丈夫って聞いて。
何を書いてるのか野暮に聞いて。
どうしてこんなに違ってたんだろう
同じ夢を見た 昨日の続きで
感情を濁して 忘れたようにして
懐かしさも身をやつすの 忘れたくないこの名残も
いつかは宿るかな まだ残っていて
《誰のせいでもない、ただ堆積した時間の重みに、僕は耐えられなかった。逃げきれなかった。
街の明かりが等間隔に過ぎ去る車窓
その規則正しさだけが、今の僕には。
鉛色の空が、街の輪郭を
曖昧にぼかしている。ただ眺めている。
寒さは痛覚に似ているけれど、
この喪失感だけは》
話したいよ 昨日もさ 色々あったよ
聞こえてる? いつからか季節のせいにして
右の頬に雪の滲む温度を知る
今日で終わりと話をしよう
同じ夢を見た 昨日の御伽で
こんな僕でさえも 生きたいと思えてる
淡く白んだ悴んだ指も
僕にはどうも綺麗に見えるから
どこかで 届くかな ねえ 覚えていて